ドラマ版『THE LAST OF US シーズン2』が4月13日配信開始!
『ラスアス シーズン2』の配信開始を前に、シーズン1の復習をしておきませんか?
ドラマ版『ラスアス』7話~9話では衝撃の展開が次々と描かれました。ゲーム版でストーリーを知っていてもドラマ版オリジナル要素やシーズン2に繋がる伏線が気になりますよね。
この記事では、シーズン1の終盤(7話~9話)を振り返り、ストーリーやキャラクターの心理変化を考察。
シーズン2をより楽しむためのポイントを解説していきます。
アマプラでも『ラスアス』を視聴できますが、レンタル作品となり1話250円かかります。全話レンタルで2250円となってしまいます。
ラスアス ドラマ7話~9話のあらすじ

- ジョエル:山寺宏一
- エリー:潘めぐみ
- トミー:高橋広樹
- テス:田中敦子
- マーリーン:朴璐美
ゲーム版と同じ声優さんなので、感情移入しまくり(笑)
7話「残されたもの」

第7話は、ゲームのDLC『Left Behind』を実写化したエピソード。
第6話でジョエルが大学で襲われ重傷を負った後、エリーが彼を看病する場面から始まり、エリーの過去の回想されます。
FEDRAの訓練生だったエリーは、3週間前に姿を消した親友ライリーと再会し、彼女に連れられて廃墟のモールへ向かいます。
二人は楽しい時間を過ごしますが、ライリーがファイアフライに加わりアトランタへ行くことを告げるとエリーは怒ります。
一度は別れたものの、エリーは「行かないで」と伝えお互いの気持ちを確認しますが、その直後に感染者に二人とも噛まれてしまいます。
ライリーは「一緒におかしくなろう」と言い、共にいることを誓いますが、エリーだけが免疫を持っていることに気付きます。
回想から現在に戻ると、エリーはライリーの「諦めない」という言葉を思い出しながらジョエルの傷を縫い始め、第7話は幕を閉じます
8話「困っている時は」

第8話の舞台は湖畔地帯のシルバーレイクで、聖書「黙示録」21章の朗読から始まります。
「新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった」 聖書「黙示録」21章
ジョエルの傷を縫合したエリーは、動けない彼のために食料を探しに出かけ、食糧不足に悩むデビッドとジェームズに出会います。
デビッドはエリーが仕留め損ねた鹿と引き換えに抗生物質を提供すると提案。ジェームズが薬を取りに行く間、小屋で待つ二人の会話からデビッドが牧師であることが明かされます。(これは原作にはない設定)
また、彼はジョエルが自分のコミュニティのメンバーを殺したことをエリーに告げます。
エリーはジョエルに抗生物質を投与できますが、デビッドの仲間がジョエルを殺しに来たことに気づき、彼らを誘き寄せるものの捕らえられてしまいます。
コミュニティへ連行されたエリーは、デビッドから仲間に加わるよう説得されますが、彼らが人肉を食べていることに気づき、激しく拒絶して抵抗します。
一方、ジョエルはデビッドの仲間を拷問してエリーの居場所を聞き出し、彼女と再会して共に立ち去ります。
ドラマ版のデビッドは、暴力を振るう牧師として描かれ、権力者としての側面が強調されており、ゲーム版より彼の背景が深く掘り下げられ、より恐ろしい人間として描き直されています。
最終話「光を探せ」

最終話のタイトル「光を探せ」は、第1話の「闇の中にいる時こそ…」に続くファイアフライの標語を意味し、対になっています。
冒頭では、原作ゲームには登場しないエリーの母アンナが登場。アンナは感染者に襲われた直後にエリーを出産し、感染を恐れながらもマーリーンに娘を託し、自らの命を絶つよう頼みます。
〔彼女を演じるのはゲーム版でエリーの声を担当したアシュレー・ジョンソン〕
舞台は現在に戻り、ジョエルとエリーはソルトレイクシティへ向かいます。
途中でキリンと遭遇する名場面が再現され、ジョエルはジャクソンシティへ戻ることを提案しますが、エリーは「これまでの全てを無駄にできない」と病院へ進むことを決意。
ファイアフライに捕らえられた二人は病院へ連行され、マーリーンはジョエルに、エリーの免疫が寄生菌との共存によるものであり、ワクチン生成には彼女の命が必要だと説明します。
ジョエルはこれを拒絶し、兵士や医師を殺しながら病院を襲撃し、エリーを救出。
駐車場でマーリーンと対峙し、「エリーは生き続けるべきだ」と主張して彼女を射殺します。
「免疫を持つ人は他にもいたが、治療法は見つからなかった」
とジョエルはエリーに嘘をつきます。
エリーはファイアフライの話が本当か誓うよう迫り、ジョエルは「誓う」と返答。エリーは「分かった」と答え、物語は幕を閉じます。
ジョエルの嘘が明らかになったとき、エリーはどのような決断を下すのか。そして、ジョエルが過去に下した選択の報いが、どのような形で訪れるのか—。
7話~9話の名シーン徹底解説

ここでは7話~9話の印象深いシーンをピックアップします。
感動を呼んだ名シーントップ3
- 第9話:ジョエルの決断と嘘
- 第7話:エリーとライリ—のモールでの別れ
- 第9話:キリンと奇跡の遭遇
これらのシーンは、キャラクターたちの感情が極限まで描かれます。感情の起伏を丁寧に描く物語こそが、『ラスアス』を一層鮮烈なものにしているのです。
第9話:ジョエルの決断と嘘
エリーの免疫をもとにワクチンを作るため、彼女の命を犠牲にしようとするファイアフライ。
その事実を知ったジョエルは、人類の未来ではなく、エリーの命を選ぶという衝撃的な決断を下します。
病院を襲撃する彼の行動は、倫理的には間違っています。ですが、娘サラを失った彼の過去と、エリーとの旅を見てきた視聴者は彼の行動に共感してしまいます。
「免疫を持った人は他にもいたが、治療法は見つからなかった」
とジョエルは嘘をつきます。
彼の言葉を聞いたエリーは、一瞬の沈黙の後、まっすぐに彼を見つめ、「誓う?」と問いかけ、ジョエルは「誓う」と断言し、エリーは静かに「分かった」と応じます。
彼の選択が未来を大きく変えることになると、誰が予想したことでしょう。
第7話:エリーとライリ—モールでのひとときと別れ

荒廃したモールで、エリーと親友のライリーは束の間の楽園を見つけたかのように無邪気な時間を過ごします。
しかし、その幸福は長くは続きません。突如として現れた感染者に襲われ、二人とも噛まれてしまうのです。
死を覚悟しながらも、「一緒におかしくなろう」「一緒にいるために諦めない」と誓い合う彼女たち。
現在に話が戻ると必死に道具を探すエリーの行動は、ジョエルを救いたい以上に二度と一人になりたくないという恐怖からの行動だったのかもしれません。
第9話:キリンと奇跡の遭遇
過酷な旅を続けるジョエルとエリーが、ソルトレイクシティに向かう途中、突如として目の前に現れるのは、動物園から解放されたキリンの群れだった。
荒廃した世界の中に突如現れたこの奇跡のような光景に、エリーは思わず息を呑みそっとキリンに手を伸ばします。
この瞬間、長い旅の中で疲れ果て、心を閉ざしつつあったエリーの表情に、穏やかな笑顔が浮かびます。
彼女の瞳に映るのは、失われた世界の中に残された、自然の強さ。ゲーム版でもおなじみのこのシーンは、視聴者にとっても、物語のわずかな希望を感じさせる名場面となっています。
※このシーンに登場するキリンはCGではなく本物なのだそうです
心を揺さぶったセリフ
心を揺さぶるセリフは、原作ゲームの核となるテーマやキャラクターを損なうことなく、ドラマというメディアの特性を活かして物語に深みと新たな視点を加えています。
第9話:「誓ってよ。ファイアフライの話は本当だって」
ジョエルによってファイアフライの病院から救い出されたエリーは、ジョエルから治療法が見つからなかったという話を聞き、彼に問いかけます。
「誓ってよ、ファイアフライの話は本当だって」
ジョエルの嘘と、エリー信頼と疑念の葛藤、彼女がこれから背負うことになる心の傷が暗示されています。
このジョエルの嘘こそが、次の悲劇の引き金となるのです。
第9話:エリー「これまでの全てを無駄にできない」
ソルトレイクシティへ向かう途中、ジョエルが弟のトミーがいるジャクソンシティに戻るという提案に対し、エリーが答えたセリフです。
この言葉には、エリーがこれまでの過酷な旅路で失ってきた多くのもの――テス、サム、ヘンリー、そしてライリーといった大切な人々の死が無駄ではなかったと信じたい、という強い決意が込められています。
自身の免疫がワクチン開発に繋がるかもしれないという希望を託し、前に進むことを選んだエリーの覚悟が伝わります。
第7話:「行かないで」
廃墟となったモールでの楽しいひとときが、エリーとライリーの間に微妙な感情の変化をもたらしていました。
エリーは、別れを告げる瞬間にその抑えきれない気持ちをついに言葉にします。
「行かないで」
その言葉には、ライリーがどれほどエリーにとって大切な存在であるかが痛いほど伝わってきます。互いの気持ちに気づき始めた矢先の別れは、視聴者の心を強く揺さぶります。
エリーの切実な願いは、その後の物語で彼女が背負うことになる、さらに重い運命の象徴となるのです。
ドラマ版オリジナル演出
7話~9話でもドラマ版オリジナル演出多くあり、『ラスアス』の世界を更に広げています。
9話:エリーの母親アンナの登場
ドラマ版の最終話冒頭では、ゲーム版で名前のみが言及されていたエリーの母親アンナが、出産間際に感染者から逃れるシーンが描かれました。
アンナを演じたのは、エリーの声優としても知られるアシュレー・ジョンソンであり、このキャスティングはファンサービス。
ドラマでは、感染した状態で出産し、へその緒を切ってすぐに感染の拡大を防ごうとする場面が描かれ、パンデミック前にナースとして働いていたという原作設定も示唆されています。
アンナがマーリーンにエリーを託し、自らの命を絶つという悲劇的な最期も、ドラマ独自の重要な追加要素となっています。
※このシーンが、マーリーンのエリーへの強い思い入れの背景を効果的に描き出しています。
9話:エリーの免疫の謎に対する科学的な説明
エリーが母親アンナの体内で感染した際に、寄生菌と共に成長したことで、エリーの寄生菌が特別な伝達物質を出し、他の寄生菌にエリーが「仲間」であることを認識させるという理論が提示されています。
これは、原作ゲームにはなかったドラマオリジナルの解釈であり、これによって「エリーでないといけない」理由が科学的に説明され、マーリーンの決断にも根拠が与えられています。
9話:ジョエルはサラの死後に自殺を試みた
荒廃したキャンプで、ジョエルがエリーに対して、サラの死後に自殺を図った過去を告白するシーンは、ドラマオリジナルの展開です。
彼が生き残ったのは手元が狂ったためだと語るこの告白は、ジョエルが抱える深いトラウマと、エリーとの出会いを通じて彼が再び生きる意味を見出したことを象徴しています。
9話:「エリーは成長する。あなたは死ぬか、去られる」
駐車場でマーリーンがジョエルにエリーを託す前
「エリーは成長する。あなたは死ぬか、去られる」
このセリフは、シーズン2における二人の関係性の変化や、ジョエルの未来を暗示しています。
8話:デビッドが牧師であるという設定
第8話のコミュニティのリーダー、デビッドが牧師であるという設定は、原作ゲームにはありません。
ドラマではこの設定を通じて、デビッドの支配欲や狂信性、そして宗教を利用して自らの行為を正当化する恐ろしさが強調されています。
7話:エリーの過去の詳細な描写
第7話「残されたもの」では、エリーとライリーの過去を描くために、原作ゲームのDLCを基にしたストーリーが展開されます。
エリーがFEDRAの訓練生としてどのような生活を送っていたのか、ライリーとの出会いやその後の関係性の変化がより丁寧に描かれています。
エリーが将来有望なFEDRA士官になる可能性があったことや、ライリーのファイアフライ入りに対するエリーの複雑な感情など、二人の関係性を深く掘り下げるためのドラマオリジナルの要素が加えられています。
7話~9話で明かされた伏線と考察

回収された伏線と解説
ドラマオリジナルの要素や伏線は、物語に深みを与え、視聴者に強い印象を残す作品に仕上げています。
伏線⓵ファイアフライの標語と最終話タイトル
第1話のタイトル「闇の中にいる時こそ…」と最終第9話のタイトル「光を探せ」は第一話で出てくるファイアフライの標語「闇の中にいる時こそ光を探せ」に由来しています。
最終話のタイトル「光を探せ」の光とはエリーの事であり、シーズン1全体を象徴する重要な要素となっています。
ジョエルの選択によって全世界の光にはなりませんでしたが、エリーは暗闇の中のジョエルの心を照らす存在となりました。
伏線⓶エリーのナイフ
第5話でヘンリーから譲られたナイフは、エリーにとって重要な護身具として描かれ、物語を通じてその存在がしっかりと示唆されました。
最終話では、アンナが生まれたばかりのエリーにナイフを預け、マーリーンに託すシーンが描かれます。
ナイフはエリーにとって象徴的なアイテムとなり、エリーとヘンリー、さらにはアンナとのつながりを強調しています。
また、マーリーンがジョエルにこのナイフを託すシーンは、ドラマオリジナルの展開として、エリーが「残されたもの」として歩むべき未来に向けた重要な象徴となっています。
伏線⓷「残されたもの」というテーマ
7話タイトルにも含まれる「残されたもの」というテーマは、シーズン全体を通して重要な要素として描かれてきました。
最終話では、エリーが「残されたもの」としての人生を歩み始めたことが強調され、その使命感が改めて浮き彫りにされます。
また、アンナやテス、サムといった「去ったもの」が、エリーを含む「残されたもの」に何かを託していく姿が描かれ、物語全体のテーマが一層明確に表現されました
ゲーム版との比較とオマージュ
メディアの違いによる表現の差異
ゲームとでは、プレイヤーがジョエルを操作することによって「罪の意識」をより直接的に体験できますが、ドラマ版では視聴者が客観的にジョエルの行動を見つめることになります。
この違いは、ジョエルの選択に対する感情や解釈に大きな影響を与えるため、視聴者はその決断をどう受け止めるかを自分自身で考えることになります。
また、ドラマ版ではアクションシーンや感染者との戦闘よりも、キャラクター間の心理的なドラマに焦点が当てられており、その点を好むファンと物足りないと感じるファンが分かれる要因となっています。
ゲーム版へのオマージュと再現
ドラマ版は追加要素も多いですが、ゲームの名場面やセリフに忠実なシーンもあります。
特に、キリンとの遭遇シーンやジョエルとエリーの最終的な会話などの重要シーンはほぼ変わっていません。
さらに、サプライズでゲーム版でジョエルを演じたトロイ・ベイカーがジェームズ役、アシュレー・ジョンソンがアンナ役で出演している点制作陣の愛情を感じさせます。
これらの要素を通じて、ドラマ版『ラスアス』は単なるゲームの映像化にとどまらず、原作を深く理解した上で新たな解釈と感動を加え名作となりました。
2人の心理を深掘り

ジョエルの葛藤と最後の選択
ジョエルの葛藤と最終的な選択は、『ラスアス』の物語における中心的なテーマを形成しています。
ジョエルの選択に倫理的な正当性はありません。
ですが、きわめてエゴ的な選択を視聴者は受け入れます。それはジョエルと一緒に過去のトラウマと向き合い、エリーと旅を体験してきたからです。
サラの死とその影響
ジョエルの行動の背後には、パンデミック初期に最愛の娘、サラを失った深い喪失感と不安が横たわっています。
この事件がジョエルを変え、他者との関係を築くことへの恐れを生みました。
エリーが危険に晒されるたび、失うことの不安がよみがえり、判断を鈍らせます。ジョエルがトミーに対して「怖くて動けなかった」と告白する場面が描かれ、そのトラウマの深さが強調されています。
エリーとの関係の変化
エリーとの旅を通じて、ジョエルは徐々に変わり始めます。
最初は彼女を単なる「荷物」として扱っていたジョエルですが、共に困難を乗り越えるうちに、エリーを娘のように思うようになり、その存在は娘サラ以上の生きる目的(人生そのもの)となります。
ファイアフライのワクチン計画と倫理的ジレンマ
ファイアフライがエリーの免疫を使ってワクチンを作ろうとしていることを知ったジョエルは、最初、エリーを運ぶことを単なる仕事として受け入れていました。
しかし、マーリーンからワクチンを作成するにはエリーの命が必要だと告げられた時、ジョエルは人類存続とエリーへの愛情の間でジレンマに直面します。
この選択が、これ以降の物語のすべての引き金になってしまいます。
最後の選択:愛と嘘
最終的にジョエルは、エリーの命を選びます。
彼は病院内で抵抗するファイアフライのメンバーを虐殺し、エリーを手術室から救い出します。
エリーを犠牲にする選択を拒否し、マーリーンを射殺します。エリーが目を覚ました後、
「ファイアフライの話は全部嘘だった」
と語り、ワクチン開発が不可能だったと説明します。
この嘘とその後の「誓う」という言葉は、ジョエルがエリーを守るために選んだ心の閉ざし方を象徴しており、彼の愛とエゴが交錯する瞬間を描いています。
ジョエルの葛藤
ジョエルの葛藤と最終的な選択は、失われた愛と希望と不安、エゴがまじりあっています。
彼の選択は必ずしも道徳的に正しいとは言えませんが、サラを失った過去を背負う彼にとって、もはやエリーは生きる意味そのものでした。
シーズン1のラストシーンでエリーの「分かった」という言葉に、ジョエルの嘘を完全に信じているのか、それとも何かを感じ取っていたのか・・・
最終話エリーがジョエルに感じたこと
最終話において、エリーがジョエルに感じたことは、複雑で多岐にわたると考えられます。
- 嘘に対する疑念:
- 「どうしようもない現実」との向き合う
- 「残されたもの」としての責任感
- ジョエルへの愛情と信頼、そして自立心
嘘に対する疑念
「免疫を持つ人間が他にも何十人もいたが誰の免疫も活用できず、治療法の開発をやめた」
というジョエルの説明に、完全に納得していない可能性があります 。
特に、手術着のままだったことや、「マーリーンは大丈夫?」という問いに対するジョエルの曖昧な態度から、何かがおかしいと感じていることが示唆されます。
「どうしようもない現実」と向き合う
これまでの旅路で、テスやサム、そしてライリーといった大切な人々を失ってきたエリーにとって、「どうしようもない現実」を受け入れることは重要なテーマです。
ジョエルのファイアフライの話がもし真実でないとしたら、人類を救える可能性をジョエルが独断で奪ったことになり、エリーはこれまでの犠牲が無駄になったと感じるかもしれません 。
ライリーが感染した際に「一緒におかしくなろう」と約束し、最終的にライリーを殺したという経験で、現実から目を背けることの代償を理解したかもしれません。
「残されたもの」としての責任感
エリーは、自身の特別な免疫が、多くの命を救う可能性を秘めていることを理解しています。
母親アンナが命懸けで彼女を守り、マーリーンに託したという背景を知る由もないエリーですが、自身の存在が単なる偶然ではなく、何か意味を持つのではないかと感じているかもしれません。
ジョエルの行動がその可能性を潰してしまったとしたら、エリーは深い喪失感と、果たせなかったかもしれない責任を感じる可能性があります。
ジョエルへの愛情と信頼、そして自立心
エリーはジョエルとの過酷な旅を通して、彼に強い信頼と愛情を抱くようになっています。
しかし同時に、デビッドとの壮絶な戦いを一人で乗り越えた経験は、エリーに自立心を芽生えさせている可能性もあります。
エリーは自分の力で現実と向き合いたいと思っている。またはジョエルの嘘が、人類の未来を奪ったと感じる可能性も考えられます。
ジョエルの行動が、彼なりの愛情表現であり、自分を守るための選択だったことは分かる。
心の中でジョエルの嘘を見抜きながらも、彼を失うことを恐れ、真実を追求することを諦めたことをエリーは後悔し、やがて自身の罪(十字架)として彼女を苦しめていきます。
最終話における「分かった」は割り切れない感情を抱えていることを示唆していると言えるでしょう。
この曖昧なラストは、エリーがこれからジョエルとの関係、そして自身の存在意義とどのように向き合っていくのか、シーズン2への大きな問いかけとなっています。
サブキャラクターの役割
『ラスアス』におけるサブキャラクターの役割は、物語を豊かにし、ジョエルとエリーの成長、葛藤、そして二人の関係性を深く掘り下げる装置です。
「残されたもの」としての悲しみや、「託されたもの」としての責任感、そして「去ったもの」たちの遺した想いが、物語に一層深みを与えています。
- エリーの母アンナとマーリーン
- テス
- ビルとフランク
- ヘンリーとサム
- ライリー
- デビッド
エリーの母アンナとマーリーン
最終話の冒頭でエリーの母アンナが登場し、出産直前に感染したアンナからへその緒を通じて菌を受け継いだことが、エリーの免疫の鍵であるとドラマ版では説明されています。
アンナがマーリーンにエリーを託したことは、エリーの運命を決定づける最初の重要な出来事であり、マーリーンがエリーに対して特別な責任感を持つ理由となります。
マーリーンの最後の決断とジョエルとの対峙は、「一人を犠牲にしてより多くの人を救うべきか」という倫理的な問いを視聴者に投げかけます 。
テス
第1話から登場するテスは、ジョエルの運び屋としての仕事のパートナーであり、エリーをファイアフライの元へ送り届けるという任務を与えます。
彼女は、ジョエルに対して「救える人を救って」というメッセージを、テスの自己犠牲はエリーに生き残るための決意を与えました。
ビルとフランク
ビルとフランクの物語は、終末世界における人間関係の多様性を示し、視聴者に強い印象を与えました。
彼らの関係は、愛と献身、そして共に生きることの意味をジョエルとエリーに間接的に示唆します。
孤独を愛するビルがフランクと出会い、共に人生を歩む選択をしたことは、閉ざされたジョエルの心にわずかな希望の光を灯すかもしれません。ドラマ版では、「残されたもの」だけでなく「去ったもの」の視点も描くことで、物語に深みを与えています。
ヘンリーとサム
ヘンリーとサムの兄弟は、過酷な状況下における家族の絆を描き出します 。
弟サムが聴覚障害を持つという設定は、彼らのコミュニケーションと関係性をより繊細に表現しています。
ヘンリーがサムを救うためにキャスリンに兄を売ったという過去は、生き残るための決断を示唆し、後のジョエルの選択を予感させます。
サムの結末は、エリーにとって守りたい存在を失う現実と死んだら何も残らないという現実を突きつけます。
ライリー
ライリーは、エリーにとって初めての親密な友人であり、恋愛対象となる重要な人物です。
ライリーとの別れは、エリーに「諦めない」という強い意志を残し、後のジョエルを救おうとする行動の原動力となります 。同時に自分だけ生き残ってしまったという自身の罪としてのしかかります。
デビッド
終末世界における人間の悪意と狂気を象徴する存在です。
彼の支配的な振る舞いやカニバリズムは、極限状態の人間の恐ろしさを浮き彫りにします。
エリーがデビッドとの戦いを一人で生き抜いた経験は、彼女の強さと自立心を大きく成長させますが、同時に深いトラウマを彼女の心に刻み込みます。
まとめ:シーズン2に期待すること

『ラスアス』ポリコレ問題
『ラスアス』シリーズは、ゲーム版から多様性を重視したキャラクター設定が特徴です。例えば、黒人女性のマーリーンやアジア系男性ジェシーなど、多様な背景を持つキャラクターが登場しています。
ドラマ版ではさらにLGBTQの描写が強調されており、エピソード3のビルとフランクの愛情を描く場面が大きな話題となりました。この描写は「美しい愛の物語」として評価される一方で、抵抗を感じる視聴者もいるようです。
ですが、個人的に言わせてもらうと、エンタメの世界より現実はもっとイビツで様々な価値観で溢れています。
人間の本質、醜さを描くことに、この作品の意味がある
この物語を構成する全てが複合的に機能して『ラスアス』は作られています。
以下はゲーム版、ドラマ版プロデューサー:ニール・ドラックマンの言葉です。
『The Last of Us』に取り組んでいる間
、私は最もクールで、性的な要素のない女性主人公の一人を作りたいと思っていました。そして、
『The Last of Us』には業界を変えるチャンスがあると感じました。」Wikipediaより出典
シーズン2の注目ポイント
『ラスアス』のシーズン2の配信まであと少しですが、ゲーム版『 Part II』を基にしているとはいえかなりの追加要素があると予想されます。
今後の展開で注目すべきポイントは以下の通りです。
- 復讐劇の展開
- ジョエルとエリーの関係
- 新たなサブキャラクター
- エリーのトラウマ
- ゲーム版の名シーンがどのように再現されるのか?
シーズン2に期待する一番のポイントは、新キャラクターのアビーに感情移入させられるか。
だと思っています。
『Part II』には多くの新たなキャラクターが登場します。これらのキャラクターがドラマ版でどのように描かれるか、そしてシーズン1のビルとフランクのように新たなストーリーが描かれることでしょう。
またシーズン2は全7話であることが発表され、全体でシーズン4まで制作されると噂されています。
ゲーム版をプレイした方も、納得できる物語を紡いでいくでしょう。
ではまた
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