この記事ではアンコールで人気の【Under The Bridge】を掘り下げます。
1991年に発表されたアルバム「Blood Sugar Sex MAgic」収録。
【Under The Bridge】 はジョンの美しいイントロが印象的ですが、歌詞の最後はドラッグ中毒だった過去の思いが痛々しくも正直に語られています。
もしよかったら一つの解釈として読んで頂けると嬉しいです。
彼らの近況をまとめた記事はこちら。
【Under The Bridge】lyric
[Verse 1]
Sometimes I feel like I don’t have a partner
Sometimes I feel like my only friend
Is the city I live in, The City of Angels
Lonely as I am, together we cry
[Verse 2]
I drive on her streets ‘cause she’s my companion
I walk through her hills ‘cause she knows who I am
She sees my good deeds and she kisses me windy
Well, I never worry, now that is a lie
[Chorus]
I don’t ever wanna feel like I did that day
Take me to the place I love, take me all the way
I don’t ever wanna feel like I did that day
Take me to the place I love, take me all the way
[Post-Chorus]
Yeah, yeah, yeah
[Verse 3]
It’s hard to believe that there’s nobody out there
It’s hard to believe that I’m all alone
At least I have her love, the city she loves me
Lonely as I am, together we cry
[Chorus]
I don’t ever wanna feel like I did that day
Take me to the place I love, take me all the way
I don’t ever wanna feel like I did that day
Take me to the place I love, take me all the way
[Post-Chorus]
Yeah, yeah, yeah
[Verse 3]
It’s hard to believe that there’s nobody out there
It’s hard to believe that I’m all alone
At least I have her love, the city she loves me
Lonely as I am, together we cry
geniusより出典
【Under The Bridge】歌詞の和訳
[Verse 1]
時々感じるんだよ
自分には仲間がいないんじゃないかって
僕の友達は自分だけだと思う時がある
唯一の友達は僕の住む
「天使の街」だけなんじゃないかって
こんなに寂しくても一緒に泣いてくれるんだ
[Verse 2]
ロサンゼルスで車を走らせる
だってこの街だけが友達だから
街の丘を歩いていく
彼女は僕の事をわかってくれている
だから善い行いも見てくれるし
風を吹かせてキスもしてくれる
心配なんかしないよって言ったらウソだな
[Chorus]
あの日感じた気持ちは二度と感じたくない
僕の愛するあの場所に連れてってくれ
あの日感じた気持ちは二度と感じたくない
僕の愛するあの場所に連れてってくれ
[Verse 3]
そこに誰もいないなんて信じられない
独りきりなんて信じられないよ
でも少なくとも僕にはこの街の愛がある
こんなに寂しくても一緒に泣いてくれるんだ
[Chorus]
あの日感じた気持ちは二度と感じたくない
僕の愛するあの場所に連れてってくれ
あの日感じた気持ちは二度と感じたくない
僕の愛するあの場所に連れてってくれ
[Verse 3]
ダウンタウンの橋の下で
僕は血を抜いた
ダウンタウンの橋の下では
ちっとも満たされなかった
ダウンタウンの橋の下
愛を忘れてしまった
ダウンタウンの橋の下で
僕は人生を捨ててしまったんだ
【Under The Bridge】の意味とは?
【Under The Bridge】は直訳すると文字通り橋の下となりますが、アンソニーが、当時ギャングからドラッグを買った場所だということです。
ロサンゼルスのとある橋。
その橋の下で彼はドラッグを購入し、何年もそこから抜け出せませんでした。
ドラックから抜け出せない人生
そもそもアンソニーが父親とロサンゼルスへと移住した時、父は麻薬常用者。
ドラッグが生活の一部であり、最初のドラッグも父から得たものでした。
アンソニーはドラックを理由に1986年に1カ月の間バンドを追放されていました。
バンド初期のギタリスト、理解者でもあったヒレル・スロヴァクは1988年ドラッグのオーバドーズで亡くします。
ヒレルの逝去を機に一度は依存症を克服したものの、アンソニーは以降も度々ヘロインに手を出していました。
アンソニーは当時何度もドラッグを断とうとしていたようです。
そう考えると、ドラッグを止められない苦悩を歌詞にしているのかもしれませんし、自分だけドラッグを使用せずにシラフでいることの孤独感を歌っているのかもしれません。
1997年にバイク事故を起こした際には、処方された痛み止めの服用がきっかけとなってヘロインに手を染めてしまいます。
[Chorus]
あの日感じた気持ちは二度と感じたくない
僕の愛するあの場所に連れてってくれ
「ここから抜け出したい」というアンソニーの、愛するあの場所への希望が【Under The Bridge】には込められています。
では愛するあの場所とは?
「あの日感じた気持ちは二度と感じたくない」
ドラッグへの罪悪感と反する快楽への欲求。
愛する場所とは薬から抜け出した場所
幼い頃の楽しい思い出の場所。
ドラッグをやっていなかった頃に仲良くしていた仲間たち。
そんな心の情景と未来を表しているのだと思います。
アンソニーとフリーの絆
ロサンゼルスのフェアファックス高校に通っていた15歳の少年2人は、固い絆で結ばれていました。
引っ越してきたばかりで周りと馴染めなかったアンソニーとフリー。
アンソニーが登校しなかった日は、フリーは校庭を1人でうろついていたといいます。
フリーは「独りぼっちでいるところを誰にも見られたくなかったんだ」と当時を振り返っています。
アンソニーとフリーは互いに深い孤独を感じていたからこそ、深い絆が生まれたと思います。
フリーの自伝は1982年までの話が綴られています。
よかったら手に取ってみてください。
「天使の街」ロサンゼルス
孤独を感じるがゆえにドラックから抜け出せない。
ドラックから抜け出せないから孤独になっていく。
そんな負のループから抜け出せない自分を、包み込んでくれるような「天使の街」ロサンゼルス
[Verse 3]
そこに誰もいないなんて信じられない
独りきりなんて信じられないよ
でも少なくとも僕にはこの街の愛がある
こんなに寂しくても一緒に泣いてくれるんだ
誰もいなくてもロサンゼルスだけは傍にいてくれる。
そのように自分を励まさないと、孤独感にで潰されそうだったと思います。
【Under The Bridge】
Under The Bridgeはロサンゼルスの何処かにある橋の下。
ロサンゼルスという街全体が自分を守るものなら、橋の下は何に喩えられるのでしょう。
アンソニーにとってUnder The Bridgeは、深くて底の見えない奈落の底だったのではないでしょうか。
[Verse 3]
ダウンタウンの橋の下で
僕は人生を捨ててしまったんだ
【Under The Bridge】は何もかも失った孤独から抜け出す歌と同時に、アンソニーそしてメンバーの戒めの歌かもしれません。
【Under The Bridge】の逸話
アンソニーが自身の体験をもとにして書いたといわれる【Under The Bridge】の歌詞
アンソニーはヒレル・スロヴァクの死に責任を感じ薬物を断ちました。
しかし、リハーサルに向かうとなんと他のメンバーはマリファナを吸っていた。
アンソニーはそれを見て、彼らがもう本当の友人ではないとすら感じ、行き場もなくロサンゼルスを彷徨いました。
その時の孤独がこの歌詞の原型です。
ちなみにフリーは以前のインタヴューで「90年代前半でドラックはきっぱりやめた」と語っていました。
「Blood Sugar Sex MAgic」が1991年に発表なのでその後でしょうか。
レッチリがルービン邸でレコーディング
【Under The Bridge】収録の「Blood Sugar Sex MAgic」はロサンゼルスのローレル・キャニオンに建設された、通称「ザ・マンション」と呼ばれるのルービンの大邸宅。
レコーディング・スタジオとして過去25年の間に、ルービンがプロデュースした数々のアーティストが住み込みで利用してきましたが、一番最初に足を踏み入れたのはレッチリなそうです。
リックが、あの家でレコーディングをやろうっていうアイデアを出したんだそう。
ルービン邸の幽霊が出るという噂
ルービン邸に幽霊が出るという噂に盛り上がったメンバー。
アンソニー、ベースのフリー、ギターのジョン・フルシアンテは、2か月間ルービン邸に住み込んで「Blood Sugar Sex MAgic」の制作をしましたが、チャドだけは住むことを完全拒否したという。
フリーがプレイを変えた理由
それまでスラップベースが代名詞だったフリー。
一転して【Under The Bridge】ではよりシンプルでメロディアスなベースを披露しています。
その理由としてキム・ゴードン曰く「ファンク・ベースが大好きだけど、白人の男がそれを弾くのが嫌いだ。白人の男が、それを男らしいものに変えてきたから」
キム・ゴードンはソニック・ユースのベーシスト。
フリーがそれを読んだ時に、その責任が自身にもあると感じてよりシンプルに弾くことを心がけたそう。
ソニック・ユースの代表曲の一つ『100%』
まとめ
この記事ではギターが美しいい曲【Under The Bridge】を掘り下げました。
日本人にとってドラックは身近にあるものではありません。
実際にドラックに依存した時の、恐ろしさや喪失感や孤独感は頭で考えている以上だと思います。
その気持ちはわからないけれど、何かが原因で大切なものを失った時や、取り返しのつかない過ちを犯した時の孤独や疎外感。
生きていればそんな事一つや二つはある。むしろそんな事だらけの人生という人。
この曲を聴くことでまた進むことが出来る事を願っています。
あくまでもこの解釈は私の考えなので、反対の意見があっても歓迎です。
皆さんの考える【Under The Bridge】をコメント欄に頂けると嬉しいです。
【和訳と深堀り】は他の曲も取り上げています。
ではまた
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