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映画考察

 【NOPEのネタバレ考察】最悪の軌跡(靴、5セント、613)について

映画考察
本ページにはプロモーションが含まれている場合があります。

先日映画『NOPE』についての感想の記事を書きましたが、あえて内容には触れませんでした。

それは映画を鑑賞した後、メタファーや映画レビューという点で自分なりの解釈を踏まえて一度まとめておきたいと思ったからです。

以前、NOPEを鑑賞してメタファーの在り方と映画レビューについて考えた記事はこの下から

また今作を鑑賞する前に、ジョーダンピールの過去作『ゲット・アウト』『アス』を見ることでよりNOPEを楽しめると思います。

2024年8月現在『NOPE』が見れるのはPrime videoのレンタルとU-NEXTで見ることが出来ます。

これらの作品は現在U-NEXTで見ることが出来ます。

公開から約2週間が経過したのでそろそろ、考察や感想を上げてもいいのかなと思います。

だってこの映画ネタバレなしだとほぼ話すことないんです・・・

ということで見る予定だけど、まだ忙しくて見れていない方はこの記事見ないでください。

※本記事には映画『Prime Musicを使う中で困っている方や』のネタバレが含まれます。

この記事ではNOPEで起こった3つの最悪の軌跡の紹介していきながら作品のテーマについて考察していきます。

なおあくまで一つの解釈として読んで頂ければと思います。

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NOPEで起こった3つの最悪の軌跡について

この映画には最悪の軌跡が大きく3つ出てきます。

それが物語のテーマに繋がる部分でもあります。

では順番に解説していきます。

【最悪の軌跡その1】 奇跡的に垂直に立った靴

映画の中で何度も出てくるドラマ「ゴーディ 家に帰る」の惨劇で奇跡的に垂直に立った靴

チンパンジーのゴーディは風船が割れたのを引き金に、正気を失い出演者に殺してしまいます。

個人的にはこの映画の一番のホラー演出の部分だと思います・・結構怖い・・

この下の映像は架空のホームドラマ「Gordy’s Home」の予告です。

ゴーディ事件の結末を知っていると、この予告も怖くなってきます。

この事件には元ネタがあって、2009年コネティカット州で サンドラ・ハロルドさんによって飼育されていたチンパンジーのトラビスが、突如飼い主の友人のチャルラ・ナッシュさんを襲い、彼女の鼻、両耳、両手を噛み切り、顔面をずたずたに引き裂くという惨事を起こしたという事件。サンドラさんが通報し、駆け付けた警察によってトラビスは射殺。

トラビスは『ペプシコーラ』のⅭMなどに出演していたアニマルアクターでした。

幼い頃から人間社会で暮らし、サンドラさんと街へ買い物に行き、車に乗るときはシートベルトを装着。

鍵を使ってドアを開け、自分で着替えをし、植物に水をやり、夫妻の飼っている馬に干し草を与え、家族と一緒にテーブルで食事をし、好物のアイスクリームの販売トラックがやってくるスケジュールさえ理解していた。

画像を探すためにコンピューターにログオンすることも出来た。そして町の人気者でした。

映画の中のドラマ「ゴーディ 家に帰る」では人間に馬鹿にされ、見世物にされているゴーディが、風船が割れるのをきっかけに惨劇に至ります。(一見平等に見えるが実際は、差別社会であることを暗示している)

ここで2つの疑問が生まれます。 

疑問⓵ ゴーディがリッキー少年を殺さなかったのは何故か?

理由⓵ 惨劇のさなか偶然にも靴が垂直に立ってしまう(靴が垂直に立ったこと自体に意味はななく あくまで奇跡である)

机の下に隠れたリッキー少年は恐ろしいさなか、何故か垂直に立ったその靴から目が離せなくなる。その軌跡のおかげでゴーディと目を合わせずに済んだ為、助かったという説。

理由⓶ リッキー少年とゴーディは観客や視聴者から見られる側(搾取される側)であると同時にアジア人という白人からみたら見世物で同じ境遇の為、殺されなかったという説

この二つの説があります。

つまり、靴が立っていたことは最悪でもあるが奇跡でもあります。

疑問⓶ 大人になったリッキーは、なぜ事件の品を飾っているのか?

大人になったリッキーはこのような惨劇に合ったにもかかわらず、なぜ事件の品をとって置きしかも飾っているのか?

理由 脳の中で恐怖の処理に関する部位と快感の処理に関する部位はかなり重複しています。つまりリッキーにとってこの事件は恐怖であると同時に快感でもある。故に当時のことを思いだす為に、飾っているのです。

【最悪の軌跡その2】5セント硬貨に込められた意味

5セント硬貨に込められた二面性と最悪の奇跡

偶然空から降ってきた5セント硬貨が頭蓋骨に貫通したため亡くなったOJの父親オーティス(お金=資本主義に殺されたともいえる)

物語終盤、ジュピターパークの井戸のカメラでGジャンの姿を撮影しようと使った硬貨が同じ5セント硬貨(お金=資本主義に救われた

※Gジャンとは『NOPE』において主人公たちがUFOにつけたあだ名です。

つまり5セント硬貨の意味はマイナスな事(最悪の軌跡)と撮影に使うプラスな事に使われる。ここまでアメリカを大きくした資本主義にも、良い面と悪い面の二面性がある。

DSC_0774

5セント硬貨に描かれているトーマス・ジェファーソンについて

トーマス・ジェファーソンは第3代アメリカ合衆国大統領です。一番の功績は大統領になる数十年前の1776年に独立宣言の起草を書いた事でした。

一方で、彼は奴隷制を承認し、インディアンを排除していきました。

当時、奴隷は完全な私有物として考えられていました。つまり財産=物として扱われ、奴隷はローンの担保として扱われることもありました。

その為、借金のある人は、自分の奴隷を解放したくても、借金がある限り、解放することは法律的に不可能だったという背景もあります。

またそれとは別にサリー・ヘミングスという奴隷とトーマス・ジェファーソンの間に子供がいたという話もあります。(この件に関する議論は今でも続いている。)

アメリカの歴史の中で、もっとも重要と言える独立宣言にかかわった偉人と言えるトーマス・ジェファーソンの2面性。

父親オーティスの死の原因とGジャンの姿を撮影という2面性。

さらにジョーダンピール監督自身の、コメディをやった時みんなに喜んでもらいたい願望と、人と関わりたくないと思う2面性

5セント硬貨には、この3つの2面性が掛け合わされています。

OJの父親オーティスが、偶然にも空から落ちてきた5セント硬貨が致命傷になり亡くなるという最悪の軌跡がありつつも、最後の展開では同じ5セント硬貨で救われる。

つまり資本主義に殺されながらも、一方で救われるという奇跡となるのです。

【最悪の軌跡その3】 613という数字について

6分13秒と6時13分の最悪の奇跡

6分13秒は番組でゴーディが暴れだしてからリッキー少年とグータッチをしようとして射殺されるまでの時間

6時13分は、Gジャンがジュピターパークにやってくる時間でもある。

この2つの出来事は偶然というより最悪の軌跡

リッキー少年は番組で見せ物(搾取される側の人間)でしたが、大人になり今度は見せ物を搾取する側の人間になりました。搾取する側なった故にGジャンに飲み込まれる。それが613という数字で繋がっています。

今作のテーマは?

旧約聖書の一節、ナホム書3章6節

「わたしはあなたに汚物をかけ、あなたを辱め、あなたを見せ物にする」旧約聖書の一節、ナホム書3章6節より

冒頭この言葉が引用されますが、この中の見せ物という言葉が重要なキーワードになっています。

今作は映画(スペクタクル)見せ物に夢中になる人々を、観る者と撮る者の両側から描いています。これはジョーダンピール自身が、映画を観る側から撮る側になったことで感じたことが影響していると思われます。映画作りは偉業であり大変なことではあるが、ジョーダンピールはそんな映画を撮ること”に取り憑かれた映画業界を揶揄しています。

インタビューでも語られていますが、今作で参考にした映画は『ジュラシックパーク』や『キング・コング』など。

これらの作品のテーマは自然の力を人間がコントロール支配など出来るのか?そんなことは人間の傲りであると説いています。

これは今作におけるゴーディと周りの人間達やリッキーとGジャンの関係性にあたります。

自分の作品も完全にコントロールすることなど出来ない

ひょっとしたら自分の作品も完全にコントロールすることなど出来ない(どのように評価されるかわからない)という思いも込められているかもしれません。

ゲット・アウト』でアカデミー脚本賞を獲れるとは、まさか作った時点では監督自身予想はしていなかったでしょう。

『ゲット・アウト』で黒人史上初のアカデミー脚本賞を受賞し、次回作に大きな期待が常に集まります。そんな中『ゲット・アウト』(黒人差別)『アス』(格差社会)の問題を直視せず、ただの映画(スペクタクル)として消費するのであれば娯楽としてなかったことに出来る。

でも問題に目を合わせ直視すれば、そのままではいられない。問題から逃げられない。その問題自体をGジャンに例えている。

故にGジャンに目を合わせなければ安全でいられる。

ハリウッドへの反逆

観客に自分の作品のテーマ(社会問題)に対してどう思いますか?これ以上見て見ないふりをして自分だけ安全でいたいですか?という批判になっていると思います。と同時にただ映画(スペクタクル)を追求してきたハリウッドへの反逆であるとも考えられます。

自分の作品が評価され沢山の人に触れられ、作り手には大きな影響力 責任が伴う。

だからこそ、社会問題から目をそらさず恐れずに作品に取り込むジョーダンピールの作品には注目は今後も注目していきたいなと思います。

もしかしたらNOPEの意味は、これ以上問題からは逃げられない。目をそらすことは出来ないという意味のNOPEかも知れません。

ジョーダンピール作品は読み解いていくと、深い意味があり面白いです。

ジョーダンピールの過去作『ゲット・アウト』や『アス』も気になるかたは・・

『NOPE』を鑑賞する中でUFO関連を調べていると、米国議会で50年ぶりに「UFO公聴会」が開催されてました。

『NOPE』の影響で世界的にUAP(未確認空中現象)に注目が集まるのでしょうか?

ではまた

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