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【マジカルガールのネタバレ解説】ベルムト監督のハッピーエンドでは終われない物語。

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スペインの超日本オタク、カルロス・ベルムト監督の『マジカルガール』を今更ながら見ました。

『マジカルガール』は冒頭の話からは予測のつかない結末を迎えます。まだ見ていない方は何も情報を入れず是非見ていただきたい作品

と言う事で『マジカルガール』を鑑賞となったわけですが、調べていく中で自分なりの解釈が出来きたのでまとめたいと思います。

色々な解釈もあるかも知れませんし、あ好き嫌いの別れる作品かも知れませんが、一度は見ていただけると嬉しいです。

またこの度カルロス・ベルムト監督の新作が公開されます。

2024年年4月19日(金)よりカルロス・ベルムト監督の最新作『マンティコア 怪物』が全国順次公開されることが決定しました。

『マジカルガール』は1度見ただけでは、理解できない事も多くあり、考察しがいのある作品です。

ネタバレもあるので本編鑑賞後に読んで頂ければ嬉しいです。

『マジカルガール』は題名と中身がまったく違う

マジカルガール公式サイトより出典

余命いくばくもない12歳の少女アリシア。彼女の夢は日本のアニメ『魔法少女ユキコ』のコスチュームを着て踊ること。しかし父親のルイスは失業中でどこにもそんなお金はなかった。

これは映画の冒頭です。 

コスチュームを手に入れる為に取った行動が、出会うはずのなかったバルバラとの出会う。やがて彼らの運命は予想もしない悲劇的な結末へ…。

マジカルガール』は題名の印象と中身がまったく違う映画です。

少しでも興味を持ったら、読むのを中断して本編を見てください。

この作品は初見で見て欲しい

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マジカルガールの悲劇はどうして起きたのか?

マジカルガール公式サイトより出典

物語の始まりはアリシアの無垢な願いから始まりました。

余命いくばくもないアリシアの願いは、大好きな日本のアニメ『魔法少女ゆきこ』の衣装を着て踊る事。

その為に父親のルイスは、宝石強盗を企てようとします。

ですが思い出してください。アリシアのノートに書いてあったのは3つ

  • 誰にでも変身できる
  • 『魔法少女ゆきこ』のドレス
  • 13歳になる

と確かに書いてありました。

友人には『ルイス、よく聞いて。アリシアが望むのはあなたと一緒にいること。ドレスやお金なんて関係ないのよ。』

と言われます。

またラジオでアリシアが、父ルイスにあてた手紙にはこのように書いていました。

私は病院が好き。だって目覚めたらパパがそばにいるから』←これをルイスが聞いていれば・・・

アリシアの本当の願いは、父ルイスと一緒に居ることだったんです。

ですが、物語が進むにつれ、アリシアの願いは欲望に変わってしまうんです。

ルイスは無垢で邪悪な魔法少女に人生を翻弄される

アリシアの願いは父ルイスと一緒に居ることだったはずなんです。

ですが、『魔法少女ゆきこ』のドレスを着たいという願いは、ルイスがドレスを買ってきたことで歯止めが利かなくなります。

アリシアは衣装の空箱を見てわざとらしく「なにかを探す」素振りをします。挙句には衣装をキッチンに放置したまま部屋にこもってしまいます。

杖がなくて部屋にこもったか真相はわかりませんが、アリシアがドレスをみてルイスの元に行けば、その後、バルバラもトカゲの部屋に行くことはなく。ダミアンも罪を犯すことはなかったでしょう。

ですがルイスがドレスを買い与えなければ、杖を欲しがることもなかったとも言えます。

だってアリシアの本当の願いは大好きなパパがそばにいてくれることなんですから

ルイスはアリシアという無垢で邪悪な魔法少女に人生を翻弄されてしまいます。

2+2=4

完全な真実とは常に答えが同じであり2+2=4である

冒頭ダミアンが授業で説明しています。

2+2=4という考えはジョージ・オーウェル作「1984年」に登場

二重思考(にじゅうしこう、ダブルシンク、doublethink)とは、ある人が相反する2つの理論にあったら、この2つの理論の間の矛盾点を無視しつつ自然のように受け入れ、他人からその違和感を指摘されても、頑固に矛盾な2つの理論を同時に信じ続けること

Wikipediaより

???となりますよね。

要約すると

二重思考とは相反する考えや情報を同時に受け入れることで、自らの思考や行動を制御されることを指します。

これは各登場人物にも当てはまります。

  • アリシア=高価なドレスを着たい事と、ルイスがそばにいて欲しい事
  • ルイス=アリシアのそばに居たい事と、ドレスを買う為に犯罪に手を染める事
  • バルバラ=夫に愛されたい事と、秘密の高級クラブに行きお金を稼ぐ事
  • ダミアン=平穏を得るためバルバラに関わらない事と、バルバラの守護天使として生きる事

相反することを望んだ為、彼らは身動きの取れず最悪の結末に進むしかなくなった。

冒頭ダミアンは、自分の未来をも暗示していたんです。

ルイスの存在がダミアンの最後のピース

マジカルガール公式サイトより出典

ダミアンがカウンセラーからもらったジグソーパズル。

【ジグソーパズルの完成=彼がまっとうに生きる象徴】として登場しますが、最後の1ピースがどこを探しても見つかりません。

見ていてどこに行ったのかわからなかった方もいるかもしれません

最期のピースは・・・そう宝石店の前でルイスが拾って投げ捨ててしまいました。

つまりルイスの存在こそが、ダミアンがまっとうに生きる為の最後のピースだった訳です。

ストーリーを3つの章で読み解く

この物語は3つの章でできています。

  1. MUNDO=世界
  2. DEMON=悪魔
  3. CARNE=肉

MUNDO=世界

第一章の主人公はルイスとアリシアです。

彼らが暮らす現実の世界を映し出します。

アリシアの病気が治る事は恐らくないでしょうし、バルバラやダミアンの過去の罪が消えてなくなることはありません(※二人の過去は言及はされません)

つまり魔法なんてない現実の世界です=だからこそ人は願い事がもし叶ったらと思うんですがね。

DEMON=悪魔

第二章の主人公はバルバラ

バルバラがどのような人物か語られていきます。

彼女の過去に何があったのか語られることはありませんが、秘密のクラブで服を脱ぐと全身に傷跡があります。凄まじい傷跡でどこで付いたにせよ病んでしまう事は想像できます。

過去にこのクラブで働いていたが精神を病んでしまう→治療をしたのが今の夫→やがて結婚することになったのかと想像できます。

この映画では見るものに想像させる演出が随所にあります。だからこそどこまでも想像してしまう怖さがあります。

CARNE=肉欲

第三章の主人公はダミアン

ダミアンが出所しますが、「バルバラと再会するのが怖いんだ」と刑務官に答えます。彼にとってバルバラと関わることは人生の破滅を意味します。

なのにですよ? バルバラはダミアンに助けを求めるんです。

自宅の前で意識朦朧のバルバラを仕方なく部屋にあげ救急車を呼び、それでもダミアンは「できれば関わりたくない」平穏な暮らしをしたいと・・・

病室でダミアンに一連の事はルイスにやられたと、嘘の告白をするシーンがあります。 「あなたはいつも私を守ってくれる守護天使だ」とも。バルバラはどこまでも悪魔ですね。

しかいダミアンはバルバラの言葉を信じ、未来を棒に振ってしまう→いや、嘘かどうかは関係なかったんです。

ダミアンにとってバルバラはあの時からファム・ファタール(運命の女)だったんです

ストーリーを4人の視点から読み解く

Filmaffinity より出典

この作品の主な登場人物は4人の主人公の人生が複雑に絡み合っていきます。

物語の発端が各自の欲望であり、それによって変化していくのがユニークな部分です。

ベルムト監督「欲望のつながり」を1つのテーマとしています。自分の欲求を満たすために、誰かを傷つけてしまうこと──その連鎖を描きたかったのです。

KAI-YOU.netより引用

アリシア

アリシアの病気と闘いながらも、未来を信じて日々を生きている無垢な少女。

ですが無垢な願いは、やがて邪悪さをも呼び込んでしまいます。

ドレスと杖を手に入れた代償はルイスと自身の命でした。彼女にとっては、もともと【余命僅かな命】欲しいものを手にする代償としては安いものだったかもしれません。

銃を手にしたダミアンと対峙した時も、じっとダミアンを見つめていました。死ぬ覚悟は病気にかかった時から出来ていたのかも知れません。

アリシアの無垢で純粋で邪悪な心は最後までぶれなかったと言えます。

ルイス

彼は一番モラルのある人間でした。娘の願いのために大事な本を売ろうとし、売値が安くて売れなかったりする。その彼が強盗未遂。そして恐喝と罪を重ねていきます。

ルイスを突き動かしたのは最後までアリシアへの愛。

ですがこの愛は罪へと変わっていくのです。

監督曰くルイスは『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルからと答えています。

アリシア=アリスの道案内で迷い込んだ世界からは、最後まで抜け出すことは出来ませんでした。

バルバラ

バルバラ=人を惹き付ける天性の魅力を持つ魔法少女。

バルバラのモチーフは『ベルサイユのばら』のマリーアントワネットから。

冒頭の過去のシーンではダミアンが数学の先生。バルバラは12歳の少女として登場します。

授業中に手紙の回し読みで楽しんでいましたが、バルバラに回った所でバレてしまいダミアンの前に呼ばれました。

そこでバルバラは証拠の手紙を掌の中で何もなかったかのように消して見せました。同時に、ダミアン先生が彼女の虜に・・

バルバラは魔法少女と言うよりもはや魔女。

ですが逆にラストシーンでは、証拠が録音された携帯電話をダミアンに消されてしまいます。

ダミアン

バルバラに魅せられ、彼女の為に罪を犯し服役したであろうダミアン。

ルイスもそうであったように、ダミアンもバルバラという魔法少女に翻弄された悲しい人物。

ダミアンは服役中も出所してからも善人であろうとしています。ですがバルバラの存在が彼の人生をまた狂わせてしまうんですな。

ダミアンにとってバルバラは、もう関わりたくない口では言っていても、赤い糸で縛られている逃げられない存在なのでしょう

ダミアンと言えば『オーメン』の悪魔の子の名前です。たしかに最後の行動だけ見ると悪魔的とも言えます。

日本の影響

Filmaffinity より出典

カルロス・ベルムト監督にとって日本はパーソナリティ(人格)そのものと語っています。

ベルムト監督 
純粋に好きなんですよね。文学も文化も。それは自分のパーソナリティーなんです。日本のモノに囲まれていると居心地がいいし、日本のアニメはおもしろい。スペインのアニメとは比較にならないほど『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』『機動戦士ガンダム』が好きでした。バトルやアクションの作画には美的センスが溢れていますし、物語に謎を組み込む方法にも惹かれています。

アニメ!アニメ!より引用

監督は映画制作前にはイラストレーター、漫画家として活動していました。

スペインでは昔から日本のように、クレヨンしんちゃんやドラえもんが放送されていていたそうで、そこから日本の文化に親しみを持ったというスペイン人も少なくないそうです。

そこからさらに日本の漫画やアニメを知り、独学、大学で日本語や日本の文化を勉強し始める人もいるそうです。

『魔法少女まどか☆マギカ』

『まどマギ』と『マジカルガール』の関連性は映画のテーマです。

『マジカルガール』にはアリシアとバルバラという二人の魔女が登場します。

アリシアはルイス、バルバラはダミアンを誘惑し自分の願いを叶えます。

ベルムト監督曰く、アニメや漫画に登場する魔法少女が自分の欲求を満たすということは、その少女にとってのご褒美になると思っていたのですが、『まどか☆マギカ』では、まどかが自分の願いを叶えても、それはご褒美になるのではなく、罰になる

KAI-YOU.netより引用

『マジカルガール』でも二人はこれ以上のない罰を受けて終わります。

江戸川乱歩

『マジカルガール』には、想像を超えるであろうこの世の闇(トカゲ部屋)など、あえて描写しない事で、考えられないほどの恐ろしい世界があると想像させる演出があります。

江戸川乱歩の作品も、正常な人間が思いつかない異常な描写があります。『屋根裏の散歩者』の主人公郷田三郎が良い例です。

また、丸山(美輪)明宏さんによるテーマ曲「黒蜥蜴の唄」のカバー曲が本作のエンドロールに流れます。

ルイスがドレスを探すのに使った検索サイトが「RAMPO!」というちょっとしたオマージュがあります(笑)

と言うように監督の好きが伝わってきました。

男というものは、少々陰険に見えても、根性はあくまでもお人よしにできているものだ。そして、女というものは、表面何も知らないねんねえのようであっても、心の底には生まれつきの陰険が巣くっているものだ

                               江戸川乱歩

名言大学より引用

バルバラの妖艶な得体の知れない魅力はまさに江戸川乱歩の世界。

『マジカルガール』で一番怖いのはルイスとアリシアを手にかけたダミアンではなくバルバラですからね。

自己犠牲の上で、自身の究極の愛を捧げようとしたダミアンを、あの様な行動に走らせた物は何だったのか?

自身が利用されている事、それを全部判っている上で、それでも女性のために行動する男。そこにあるのは究極の愛なのか?

乱歩自身の言葉を借りれば、「道徳上、法律上の善意は一定不変のものではなく、同じ事が時と所によって、善にもなり悪にもなる」

シネマズプラスより引用

春はSA-RA SA-RAの歌詞

「春はSA・RA・SA・RA」は長山洋子さんのアイドルデビュー曲

ベルムト監督は当初スペイン人の作曲に、日本人が歌うオリジナル曲を考えたそうですが、しっくりこなく80~90年代の日本のアイドル曲をYouTubeで探して出合ったそうです。

あくまで感覚的にですが、曲の切なさや哀愁がアリシア、ルイス、ダミアンの人生に重なります。

そしてスペイン語のセリフになぜかハマる。

ああ 桜並木で 風が

ひと荒れしそうな 夕暮れ

あなたは 帰り路を

私より急いでいます

こんな日は SA-RA SA-RA

夢も SA-RA SA-RA

散りそうな片想いです

花びらが SA-RA SA-RA

肩にふれる

好きですと言えなくて 春です

ああ かすむような 夕やみに

何もかも 見えなくなれば

あなたが 他の誰と

通りすぎても 気づかない

春風に SA-RA SA-RA

髪も SA-RA SA-RA

あなたへと なびく恋です

人知れず SA-RA SA-RA

見つめながら

好きですと言えない 私です

こんな日は SA-RA SA-RA

夢も SA-RA SA-RA

散りそうな片想いです

花びらが SA-RA SA-RA

肩にふれる

好きですと言えなくて 春です

歌ネットより引用

その他のキーワードと小ネタ

マジカルガール公式サイトより出典

ここでは作品の小ネタや影響を紹介。

ストーリーと関係ない部分もありますが、より深く知りたい方へ向けたものになります。

アリシア役 ルシア・ポジャンの素質

作品の引用とは別ですが、まずはこのエピソードを紹介させてください。

死を覚悟した強い意志を感じるまなざしが印象的なアリシア。

ダミアンと対峙するシーンでは、ダミアンも目を見ることが出来ませんでした。

ルシア・ポジャンをアリシア役に決めた理由を監督はこのように答えていました。

 同じ世代の少女たちを集めてオーディションした時に、タバコをねだる演技をしてもらったのですが、多くの子は、「お願い」とか「ちょうだい」というセリフで演技をしてくれました。

でも、彼女だけはなぜか「タバコをくれないと腕を折るぞ」と言いはじめたのです(笑)。そのセリフがでた瞬間に起用を決めました。

KAI-YOU.netより引用

不思議の国のアリス

言わずとしれた児童文学書ですが、アリシアの道案内でこの世にある不思議の国に迷い込む登場人物達。

  • アリシア=アリス
  • ルイス=ルイス・キャロル(不思議の国のアリスの作者)

からとられています。

ルイスをこの世界に迷い込ませたは他でもないアリシアですね。

アリスのモデルとなったアリス・リデルも魅力的な人物です。

Wikipediaより出典

アリス・プレザンス・リデルAlice Pleasance Liddell、1852年5月4日 – 1934年11月16日)は、少女時代にルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』(1865年)および『鏡の国のアリス』(1871年)の成立に関わったイギリスの女性で、一般に両作品の主人公アリスのモデルとされている人物である。

Wikipediaより出典

炎の少女

バルバラがルイスに暴行されたとダミアンに嘘をつかれ、ダミアンはルイスを殺すことを決意します。

殺しに行く前にスーツを着て香水をつけ覚悟を決めるのですが、このシーンで流れるのが『炎の少女』なんです。

曲はゆっくりと始まりだ

その昔、フラメンコの発祥でもある放浪の民のジプシーたちがその煮えたぎる愛や憎悪までも歌と踊りにしたというが、まさにそんな思いが伝わってくるような曲調になっています。曲名の訳は「炎の少女」、歌詞からもその熱い思いが伝わってきます。映画の中では、作品のミステリー性をさらに高めてくれるような役割を果たしています。登場人物たちがそれぞれに抱く愛と罪の思いを強調し、不可思議な雰囲気を醸し出す不思議な曲であり、スペインの闘牛なんかも思い起こさせるような曲にもなっています。闘志を出したい時に聞くといいかもしれません。

MovieGizmo-ムービー・ギズモさんより引用

その昔、フラメンコの発祥でもある放浪の民のジプシーたちがその煮えたぎる愛や憎悪までも歌と踊りに

不可思議な雰囲気を醸し出す不思議な曲であり、スペインの闘牛なんかも思い起こさせ

トカゲの部屋

怪しすぎる「トカゲの部屋」

部屋での出来事はもちろん内部も映りません。

一切見せない事でいくらでも怖いことが想像できてしまうという・・

部屋の入口の上には黒いトカゲの紋章は、江戸川乱歩の『黒蜥蜴』のオマージュ。

監督のリスペクトが伝わってきます。

『黒蜥蜴』は女盗賊黒蜥蜴と名探偵明智小五郎が対決する探偵小説です。舞台化と映画化されましたが黒蜥蜴を演じた丸山明宏さんの魅力が全開です。

バルバラ役のバルバラ・レニーは丸山明宏さんの黒蜥蜴を参考にしたのは間違いないでしょう。

またエンドロールには映画『黒蜥蜴』の主題歌『黒蜥蜴の唄』のカバー版が流れました。

【自分が進んでいる人生が正解だとは限らない】まとめ

Filmaffinity より出典

ダミアンが証拠の携帯電話を取りにルイスの家に行く。するとルイスの帰りだと思ってアリシアが『魔法少女ゆきこ』の衣装を着て待っていました。

ただ来たのは知らない人物ダミアン。

『春はSA・RA・SA・RA』が流れ沈黙が・・

一度部屋から出たものの戻ってくるダミアン。

アリシアは自分の人生の結末を、ドレスを手にした時からわかっていたのでしょうか?

ダミアンはバルバラと出会ったときからこの結末を予感していたのでしょうか?

その後ダミアンはバルバラに「全部片付けた。二度とあの男は来ない」と伝えます。

ダミアンはその証拠の入った携帯電話をいつかバルバラがした様に、掌の中でふいと消してしまいました。

アリシアの投稿したラジオメッセージをルイスが聞いていたら、この結末にはならなかったのでしょうか?

【自分が進んでいる人生が正解だとは限らない】

何度も考えてしまう作品でした。

頭の中で『春はSA・RA・SA・RA』が何度もリピートされ、人生の儚さが増幅されていきます。

予想の付かないストーリーと現実には起こりえない不思議な世界。好きか嫌いか分かれると思いますが、私は好きな作品でした。

ではまた

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